ニュースリリース

2020年6月13日
三協立山株式会社 三協マテリアル社

【世界初】新幹線から新幹線への「アルミ水平リサイクル」実証に成功
(東海旅客鉄道、日本車輌製造、日立製作所、ハリタ金属、三協マテリアルが共同で実証)
東海道新幹線新型式車両の荷棚材に再生アルミから押出した当社形材が採用

 三協立山株式会社・三協マテリアル社は、東海旅客鉄道株式会社(以下:JR東海)が中心となり進めてきた「アルミ水平リサイクル」の取り組みに参画。新幹線の廃車両から選別・抽出した再生アルミを当社で鋳造・押出(奈呉工場・新湊東工場16インチ押出機)した形材が、東海道新幹線新型式車両N700Sの荷棚材として採用されましたのでご案内します。

《新幹線から新幹線への「アルミ水平リサイクル」フロー》



 鉄道分野では軽量化のため車両等へのアルミ使用率が高まってきていますが、部位により使用されるアルミ合金種(例:6000系、7000系など(※1))が異なることから、スクラップ時の材料選別が難しく、廃車両から作ったこれまでの再生アルミでは、新しい鉄道車両用材料としての品質を確保することが困難となっていました。

※1  ≪見た目がほぼ同じ“アルミ”でも用途により使われている合金種類が異なる≫
アルミは添加する金属によって様々な種類のアルミ合金を作ることができ、アルミに添加材としてマグネシウムとシリコンを混ぜた合金は6000系、亜鉛とマグネシウムを混ぜた合金は7000系と呼ばれています。
  ≪合金種類が混ざるとリサイクル時の品質が低下≫
リサイクル時にはアルミを再度溶解しますが、アルミ合金種が混ざった状態では鉄道車両等で求められる押出材の品質(強度や精度)を満たす再生アルミを作ることが困難であったことから、これまでは鋳物やダイキャストとしての再利用となっていました。

 今回、NEDOの助成事業にてハリタ金属が開発した「LIBSソーティング(※2)」により、リサイクル時のアルミ合金の個体選別が可能となったことから、JR東海、日本車輌製造、日立製作所、ハリタ金属と当社が共同で、世界初となる新幹線から新幹線への「アルミ水平リサイクル」の取り組みを進め、新幹線の廃車両から作った再生アルミから東海道新幹線新型式車両N700Sへの再利用(※3)が実証されました。

※2 

LIBSソーティング
NEDOの助成事業「アジア省エネルギー型資源循環制度導入実証事業」に関する国内研究実証「動静脈一体車両リサイクルシステム」の実現による省エネ実証事業(事業主体:ハリタ金属株式会社:2016〜2018年)」が採択されました。LIBSソーティングはハリタ金属が同事業にて開発したレーザーでアルミ合金を選別するシステムです。日本アルミニウム協会が、鉄道事業者、車両メーカー、自動車メーカー、アルミメーカーが委員となる「アルミ車両の水平リサイクル推進委員会」を設置し、NEDOの助成事業を推進している中で、三協マテリアル社も同委員会に参画。

   
※3 

日本アルミニウム協会規格:LIS AT6-2019「アルミニウム合金製鉄道車両水平リサイクル」


≪各社様リリース≫
◇ハリタ金属株式会社 http://www.harita.co.jp/
◇(一社)日本アルミニウム協会 https://www.aluminum.or.jp/

ニュースリリースに記載されている情報は、発表日現在のものです。

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