表面処理用語辞典

欠陥・不良

ダイスマーク

押出し形材表面の押出し方向に現れる線状の細かな凹凸のこと。
押出し金型やベアリング面の傷等の影響により、押出方向に線状に見られる。
また、傷によるものは押出し形材表面よりもくぼんでいることが多く、肉眼でも明瞭に確認できる。

ストリーク

エッチングや陽極酸化等の表面処理後、他の部位とは異なる仕上がりとなって帯状に見られる現象。いずれも押出しのままでは目立たないが、エッチングや陽極酸化等の表面処理を行うことによって明瞭となる。
ストリークと呼ばれる欠陥は、その発生原因により以下の3 種類に大別される。

  • 1. ベアリングストリーク
  • 2. オキサイドストリーク
  • 3. ストラクチャストリーク

ベアリングストリーク

押出し時のベアリングコーティングが不均一であり、その影響により押出し方向に対して平行に針で引っかいたような多数の細かい線が、連続して縞状に現れたもの。

オキサイドストリーク

ビレット内に存在していた非金属介在物が押出し形材の表面に流入し、線状になったもの。

ストラクチャストリーク

押出形材の肉厚が変化する部分において、金属組織や合金組成の不均一さの影響で押出方向に線状に現れる模様のこと。

ピンホール

塗膜やメッキ層に生じる針で突いたような小孔。ピンホールは外観が悪いだけでなく、そこに汚染物質が入り込み腐食の原因になる。

ゆず肌(オレンジピール)

塗膜表面の平滑性が無く、ゆずの表皮のような小さなくぼみのある凸凹した表面外観のこと。

皮膜割れ

加熱、変形時に発生する陽極酸化皮膜の割れ。皮膜厚さが厚くなれば成る程、封孔が進めば進む程、割れやすくなる。クリヤ塗装を施した陽極酸化塗装複合皮膜仕様では、陽極酸化皮膜が厚膜仕様の場合、焼付温度の設定に注意が必要である。

流れ

溶接や折り曲げ加工部の隙間に残っていた酸やアルカリ等の各種処理液が電解後に流れ出し、表面にできたよだれ状の模様。たれと呼ぶ場合もある。

酸流れ

陽極酸化処理後の水洗で除去できなかった酸分が表面に流れ出し、表面にできたよだれ状の模様。シルバー皮膜の場合、他の正常部分の外観と色調が異なって見える。 また、電解着色ではこの部分が正常に着色されず、色違いや皮膜破壊等の外観不良となる場合が多い。

皮膜の白化(ブルーム)

環境因子(大気汚染、光など)によって引き起こされた陽極酸化皮膜の白化現象。簡単に拭き取ることはできない。

皮膜の干渉色(イリデッセンス)

大気汚染物質が陽極酸化皮膜に付着し、やがて陽極酸化皮膜表面に薄膜を形成する。この薄膜により光の干渉が起こり、陽極酸化皮膜の表面が虹色に見える現象をいい、二次電解着色を行った皮膜、特に黒色など濃色のものに発生しやすい。

塗膜の白亜化(チョーキング)

紫外線等の影響により、塗膜の表面が劣化し粉末状になる現象。

腐食

金属が環境物質によって化学的または電気化学的に侵される現象。

局部腐食

局部的に集中して起こる腐食のこと。

孔食

局部腐食が金属内部に向かって孔状に進行するもの。

点食

比較的軽度の孔食で点状を示すもの。

接触腐食

2種類の金属を接触させて、そこに電解液が存在するような腐食性環境にさらすと、電位の低い金属がアノード(陽極)となって電解液中に溶け出し、比較的短期間に腐食を起こす現象。

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